【テレビ出演】HBC「北の医療」で、噛むことの重要性と当院の取り組みが紹介されました!
掲載日:2025.07.09
先日、HBCの「北の医療」にて、当院理事長の池田昭が出演いたしました。
番組では、私たちが普段当たり前に行っている「噛むこと」の重要性や、北海道における入れ歯治療の現状と課題、そして当院が取り組む新しい入れ歯治療について、詳しく取り上げられました。
今回は、テレビで放送された内容を振り返りながら、皆様の歯の健康と、より豊かな生活について考えていきたいと思います。
噛むこと(咀嚼)は、ただの食事以上の意味を持つ
番組冒頭では、北海道医療大学歯学部教授の越野先生が、「噛むこと」の重要性についてお話しされました。
私たちは食事から、生きるためのエネルギーや栄養を摂取しています。しかし、食事の役割はそれだけではありません。美味しいものを食べることで心が満たされたり、家族や友人と食卓を囲むことで社会との交流が生まれるなど、精神的・社会的な側面も持ち合わせています。
越野先生は、この「噛むこと(咀嚼機能)」が、実は「考えること(認知機能)」や「生活習慣病」と密接に関わっていると解説されました。例えば、よく噛むことで脳が活性化されたり、適切な栄養摂取が全身の活力に繋がったりします。話すことや飲み込むことも、口を使う機能という点では同じであり、口腔機能全体が心身の健康に深く関わっているのです。
もし歯の調子が悪く、入れ歯の具合が悪いと、食べることが億劫になり、慢性的な低栄養を引き起こす可能性があります。これが原因で筋肉が減り(サルコペニア)、身体機能が低下してしまう「負のスパイラル」に陥ってしまうこともあるのです。歯科医療は、この「負のスパイラル」を断ち切り、口の機能をしっかりと確保して、美味しく食べられる状態を維持することを目指しています。
北海道における入れ歯治療の厳しい現状
番組では、現在の北海道の歯科医療が抱える課題にも焦点が当てられました。
年代別に失われる歯の本数を見ると、60代で平均約3本、70代では約8本、そして80歳までには半数以上の歯が失われる可能性があるとされています。
また、越野先生の調査からは、入れ歯の状態が悪い高齢者グループに認知症が多いというデータも示され、口腔機能の低下が認知症のリスクを高める可能性が指摘されました。
このような中で、入れ歯治療は高齢化社会においてますます重要になりますが、北海道では歯科医療の地域格差が大きな問題となっています。札幌や一部地域では歯科医師が平均を上回る一方、宗谷や根室地方などでは半数以下しかいないのが現状です。
実際に当院にも、地元に歯科医院がなくなってしまったり、入れ歯治療の順番待ちが長いため、遠くは浜頓別から札幌まで来院される患者様もいらっしゃいます。
さらに深刻なのが「歯科技工士」の不足です。入れ歯を作る歯科技工士の養成学校では定員割れが続き、国家資格の取得者数は年間3,000人から700人以下へと激減しています。また、歯科技工士全体の高齢化も進んでおり、今後ますます入れ歯治療の担い手が不足していくことが予想されています。
デジタル技術で未来を切り開く、当院の挑戦
このような現状に対し、当院ではいち早く「デジタルデンチャー」の導入を進めています。
3DスキャンやCAD/CAMなどのデジタルツールを駆使することで、より精密で効率的な義歯・3D入れ歯の製作が可能になりました。これにより、従来の入れ歯製作における課題を解決し、歯科技工士不足を補いながら、質の高い入れ歯治療を提供することを目指しています。
当院理事長の池田は、かつて地方の瀬棚町で開業していた経験から、地方医療の現状を深く理解しています。そのため、将来的には「医療バス」を導入し、歯科医院がない地域でも訪問して入れ歯治療を提供できるようにしたいと考えています。


「食べる」ことは、全身の健康の出発点であり、豊かな人生を送るための源です。私たち歯科医師は、「健康」の「康」の字を「口」と書いて、「健口(すこやかな口)」と表現し、皆様の心身の健康に寄与したいと願っています。
これからもコンフォート入れ歯クリニックは、最新の技術と地域医療への貢献を通して、一人でも多くの方が「美味しく、楽しく食事ができる」環境を支え続けてまいります。
歯のことでお困りの方、入れ歯についてご不安な点がございましたら、どうぞお気軽に当院にご相談ください。














